パルスオキシメータは、いまや薬局・家電量販店・ネット通販などで購入できる家庭用医療機器です。これまで本サイトでは、一般の方から呼吸器疾患をお持ちの方まで、さまざまな疑問にお答えしてきました。
パルスオキシメータは、呼吸が苦しいときの目安や、在宅酸素療法・在宅人工呼吸の見守りに使われるだけでなく、睡眠時無呼吸症候群(OSA)の検査として夜間オキシメトリに用いられることがあります。
このページでは、機器選びのコツと夜間オキシメトリ(自宅での検査)をやさしく解説します。価格と精度の関係、医療機器マークの見方、家庭でできる検査の位置づけを整理しましょう。
Q16. 機器価格の違いは精度に影響?安くても大丈夫?
ポイントは「医療機器として認められているか」「誤差(精度)の表記が明確か」の2つです。
- 医療機器かどうか:外箱や取説に医療機器の番号(認証・承認・届出)の表記がある製品を選びましょう。
- 誤差(精度)表記:多くの製品はSpO2:70–100%の測定範囲で ±2〜3% 程度など、仕様に記載があります。
- ※仕様は製品ごとに異なるため、必ず自分の機器の取説で確認してください。
- 表示だけ派手な超廉価品は要注意:誤差の範囲や安全情報が不明瞭な場合があります。
- “パルスオキシメータ風”の雑貨/トイ用アプリに注意(医療機器番号のないものは医療用途に使えません)
結論:医療機器表示+誤差の明確な製品なら価格帯にかかわらず実用。
ただし数値は“目安”です。症状優先+正しい測定手順で運用を。
※数値だけで自己判断せず、治療や酸素投与の変更は主治医の指示に従ってください。
Q17. 睡眠時無呼吸でオキシメトリ検査を勧められた。どんな検査?
夜間のSpO2の変動(下がる回数・程度・持続時間など)を自宅で記録し、睡眠中に酸素が落ちていないかをみるスクリーニング検査です。
- わかること:SpO2が睡眠中に何回、また、どのくらい下がるか、全体の傾向。
- 限界:睡眠段階(レム/ノンレム)や無呼吸の種類(閉塞性/中枢性)は単独では特定できません。
- 確定診断には医療機関での総合評価(必要に応じてポリソムノグラフィ)が必要です。
準備とコツ:正しい測定のしかたに沿って装着→寝返りで外れない位置に。
結果は「就寝時刻/起床時刻」「体調メモ(発熱・鼻閉・お酒など)」と一緒に主治医へ提出しましょう。
※オキシメトリ結果だけで治療を自己判断しないでください。治療の要否や方法は主治医の総合判断となります。
関連:正しい測定のしかた / パルスオキシメータってなに? / Q7:測定に影響するもの
<一般的になった医療機器>パルスオキシメータの選び方ー家庭で失敗しない5つのコツー
※本ページは一般向けの解説です。診断・治療、酸素投与や設定の変更は必ず医療機関・主治医の指示に従ってください。
投稿者名
Noguchi Hiroyuki 臨床工学技士
