<一般的になった医療機器>パルスオキシメータの選び方 ー 家庭で失敗しない5つのコツ ー

最終更新:2025-10-31

目次

  1. まず結論(チェックリスト)
  2. 形の違いと選び方
  3. “精度”の見方はここだけ
  4. 乳幼児・小児で使うとき(重要)
  5. 日本で買うときに見るべき表記
  6. スマホ/スマートウォッチについて(現時点の見解)
  7. 失敗しないコツ(買う前・使う前)

まず結論(チェックリスト)

  • 医療機器として認められているもの(箱や説明書に 医療機器認証番号 の表記がある)
  • 指にはさむ一体型でOK(使い方がカンタン)
  • 表示の“誤差”が書いてあるもの(例:SpO2 70〜100%で ±2% など)
  • PI(ピーアイ)表示つきだと安心(=“測れている強さ測定の確かさの目安”)
  • 波形表示画面の見やすさ電池が手に入れやすい(単四など)

形の違いと選び方

1) 一体型(指にはさむだけ)

  • 良いところ:小さくて軽い/配線なし/操作が簡単/持ち運び◎
  • 気をつけること:クリップのバネが経年劣化すると測定誤差の原因に。毎日測定して3年以上たったら交換を検討

2) 本体とセンサーが別のタイプ(コードでつながる)

  • 良いところ:指の大きさに合う専用センサーを選べる/小児向き/長時間の連続測定に適する
  • 気をつけること:機器がやや大きい/ケーブル断線など取り扱い注意

使い分けの目安:
成人で、体温と一緒に短時間で測る使い方なら一体型が一般的。
長時間の連続使用が必要な場合は分離型が望ましい。
測定値そのものは両者同等です(条件が整えば、どちらでも正しく測れます)。

“精度”の見方はここだけ

  • 製品説明にある「誤差」を確認しましょう。
    例:精度 ±2%(SpO2 70–100%) と明記されているものが安心。
    80–100%のみの表記しかない製品は、数値が低め(重症)で精度が落ちやすい点に注意。
  • PI(Perfusion Index:ピーアイ)=「末梢循環/信号の強さ」の指数。
    SpO2の信頼度と関係があります。
    → PIが低い=測りにくいサイン。手を温める・指を変える・姿勢を整えるなどの判断材料に。

乳幼児・小児で使うとき(重要)

  • 一体型は基本NG:乳幼児は指が細く、大人用一体型では正しく挟めず誤測定になりやすい
  • 分離型(本体+センサー)+小児用センサーを選ぶ:包帯状で巻くタイプ(手・足・指にやさしく巻き付ける)など。サイズ(対象体重・指幅)が合うものを選択。
  • 締め付けすぎ注意:血流が落ちるとPIが下がり誤差が増える。「軽く密着手足を温める」がコツ。
  • サイズと適応の確認:製品ごとに対象体重・指幅の適応あり。小児対応の明記を購入前に確認。
  • 測定の目的・目標値は主治医と共有:在宅の連続監視は誤作動リスクも。回数・記録方法・受診目安をあらかじめ取り決めておく。
形式小児でのポイント
一体型(クリップ式)× 乳幼児は不適。学童でも指幅が合わないと誤差大。どうしても使う場合は参考値に留める。
分離型(本体+センサー)◯ 推奨小児用プローブ(包帯型・反射式など)を選び、部位に合わせて装着。固定用テープや包帯を併用。

👶 小さなお子さんの測定:大人用の一体型は基本NG。本体とセンサーが別のタイプ+小児用センサーを選び、手や足にやさしく固定します。締め付けすぎはNG。測る回数や受診の目安は、必ず主治医と決めておきましょう。

日本で買うときに見るべき表記

スマホ/スマートウォッチについて(現時点の見解)

  • スマホのカメラで測るアプリ:臨床で使える精度の裏づけは乏しく、
    参考値に留める。
  • スマートウォッチの血中酸素:メーカー自身が医療目的ではない
    (ウェルネス用途)と明記。診断や治療判断には使わないのが原則。
  • スマホに“接続して使う医療用センサー”:海外にはあるが、日本の一般流通では限定的。購入時は国内の医療機器認証の有無を確認。

失敗しないコツ(買う前・使う前)

  1. 認証番号の表記をチェック
  2. 誤差の表記(例:70〜100%で ±2%)と PI表示の有無をチェック
  3. 画面の見やすさ・電池の入手性をチェック
  4. 収納はケースへ(クリップのバネの痛みを減らす)
  5. 毎日使用で3年超買い替え検討(挟みが弱い・数値が不安定と感じたら早めに)

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投稿者名
Noguchi Hiroyuki 臨床工学技士

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