最終更新:2025-10-31
目次
- まず結論(チェックリスト)
- 形の違いと選び方
- “精度”の見方はここだけ
- 乳幼児・小児で使うとき(重要)
- 日本で買うときに見るべき表記
- スマホ/スマートウォッチについて(現時点の見解)
- 失敗しないコツ(買う前・使う前)
まず結論(チェックリスト)
- □ 医療機器として認められているもの(箱や説明書に 医療機器認証番号 の表記がある)
- □ 指にはさむ一体型でOK(使い方がカンタン)
- □ 表示の“誤差”が書いてあるもの(例:SpO2 70〜100%で ±2% など)
- □ PI(ピーアイ)表示つきだと安心(=“測れている強さ/測定の確かさの目安”)
- □ 波形表示や画面の見やすさ/電池が手に入れやすい(単四など)
形の違いと選び方



1) 一体型(指にはさむだけ)
- 良いところ:小さくて軽い/配線なし/操作が簡単/持ち運び◎
- 気をつけること:クリップのバネが経年劣化すると測定誤差の原因に。毎日測定して3年以上たったら交換を検討。
2) 本体とセンサーが別のタイプ(コードでつながる)
- 良いところ:指の大きさに合う専用センサーを選べる/小児向き/長時間の連続測定に適する
- 気をつけること:機器がやや大きい/ケーブル断線など取り扱い注意
使い分けの目安:
成人で、体温と一緒に短時間で測る使い方なら一体型が一般的。
長時間の連続使用が必要な場合は分離型が望ましい。
測定値そのものは両者同等です(条件が整えば、どちらでも正しく測れます)。
“精度”の見方はここだけ
- 製品説明にある「誤差」を確認しましょう。
例:精度 ±2%(SpO2 70–100%) と明記されているものが安心。
80–100%のみの表記しかない製品は、数値が低め(重症)で精度が落ちやすい点に注意。 - PI(Perfusion Index:ピーアイ)=「末梢循環/信号の強さ」の指数。
SpO2の信頼度と関係があります。
→ PIが低い=測りにくいサイン。手を温める・指を変える・姿勢を整えるなどの判断材料に。
乳幼児・小児で使うとき(重要)
- 一体型は基本NG:乳幼児は指が細く、大人用一体型では正しく挟めず誤測定になりやすい。
- 分離型(本体+センサー)+小児用センサーを選ぶ:包帯状で巻くタイプ(手・足・指にやさしく巻き付ける)など。サイズ(対象体重・指幅)が合うものを選択。
- 締め付けすぎ注意:血流が落ちるとPIが下がり、誤差が増える。「軽く密着+手足を温める」がコツ。
- サイズと適応の確認:製品ごとに対象体重・指幅の適応あり。小児対応の明記を購入前に確認。
- 測定の目的・目標値は主治医と共有:在宅の連続監視は誤作動リスクも。回数・記録方法・受診目安をあらかじめ取り決めておく。
| 形式 | 小児でのポイント |
|---|---|
| 一体型(クリップ式) | × 乳幼児は不適。学童でも指幅が合わないと誤差大。どうしても使う場合は参考値に留める。 |
| 分離型(本体+センサー) | ◯ 推奨。小児用プローブ(包帯型・反射式など)を選び、部位に合わせて装着。固定用テープや包帯を併用。 |
👶 小さなお子さんの測定:大人用の一体型は基本NG。本体とセンサーが別のタイプ+小児用センサーを選び、手や足にやさしく固定します。締め付けすぎはNG。測る回数や受診の目安は、必ず主治医と決めておきましょう。
日本で買うときに見るべき表記
- 「管理医療機器(クラスII)」と「医療機器認証番号」の明記
(製品ページ/箱・取説に記載)。 - 迷ったら、国内の承認・認証リスト(厚生労働省公開)を確認。
スマホ/スマートウォッチについて(現時点の見解)
- スマホのカメラで測るアプリ:臨床で使える精度の裏づけは乏しく、
参考値に留める。 - スマートウォッチの血中酸素:メーカー自身が医療目的ではない
(ウェルネス用途)と明記。診断や治療判断には使わないのが原則。 - スマホに“接続して使う医療用センサー”:海外にはあるが、日本の一般流通では限定的。購入時は国内の医療機器認証の有無を確認。
失敗しないコツ(買う前・使う前)
- 認証番号の表記をチェック
- 誤差の表記(例:70〜100%で ±2%)と PI表示の有無をチェック
- 画面の見やすさ・電池の入手性をチェック
- 収納はケースへ(クリップのバネの痛みを減らす)
- 毎日使用で3年超 → 買い替え検討(挟みが弱い・数値が不安定と感じたら早めに)
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投稿者名
Noguchi Hiroyuki 臨床工学技士
