パルスオキシメータのしくみと SpO2の意味、数値の目安(96〜98% など)をやさしく解説。症状を優先すべき理由や受診の目安、関連ページも紹介します。
パルスオキシメータは、指に挟んで血液中の酸素の量(割合%)を数値で示す小さな機械です。
痛みはなく、20〜30秒ほどで結果が出ます。
1. 酸素飽和度とは?
血液中の赤血球がどのくらい酸素で満たされているか(%)を表す数字です。
赤血球に含まれるヘモグロビンと酸素がどのくらい結びついているか、その割合を示します。
採血で測る場合を動脈血酸素飽和度SaO2(エスエーオーツー)、指で測る推定値を経皮的酸素飽和度SpO2(エスピーオーツー)と呼びます。
2. 酸素はどう運ばれる?
空気中の酸素は、肺→血液→全身へと運ばれます。
酸素の運び役は赤血球にあるヘモグロビンです。
健康な方では、ヘモグロビンのおよそ96〜98%が酸素と結び付いています。
3. パルスオキシメータの値は何?ーしくみについてー
多くの機種は、SpO2(経皮的酸素飽和度)と脈拍数を表示します。通常、指先のセンサーから赤色光と赤外光を当て、ヘモグロビンが吸収する光の違いから割合を推定します。一般的な指クリップ型は、発光部=爪側、受光部=指腹側です。動脈血でどれだけ酸素が運ばれているか(ヘモグロビンと結び付いているか)の割合を推測します。なお、100%を超えることはありません。

4. 数値の意味(目安)
次の表は、家庭での見方の目安です。条件を整えて複数回測るとともに、測定者(ご自身、あるいはお子さん)のいつもの平常値と比較してください。また、息切れ・胸痛・顔色が悪いなどの症状を最優先に判断しましょう。
SpO2 目安表
| SpO2値 | 数値のみかた | 行動のめやす |
| 96〜98% | 健康な方の正常範囲 | とくに変化なし |
| 94〜95% | やや低め、まず条件を整えて再測定 | 継続して低い/症状あれば医師に相談 |
| 90〜93% | 持病のない方;注意が必要 持病(呼吸器疾患など)のある方;平常時と比較 | 呼吸器疾患のない方;受診を検討 呼吸器疾患のある方;いつもより低いなら早めに相談 |
| 90%未満 (88%未満) | 持病のない方;重度の低酸素の可能性が高い 持病(呼吸器疾患など);低酸素の可能性が高い | 速やかに医療機関へ 強い症状なら救急安心センター#7119など |
重症心身障害児はちょっとした体調の変化でSpO2が変動します。また姿勢によっても大きく変わることがあるため、状態が落ち着いているときの平常値を把握しておくことが大切です。 持続的に90%を切る場合は、主治医へ早めに相談してください。
5. まとめ
パルスオキシメータは、酸素の目安を見える化する便利な道具ですが、値だけで判断せず、自覚症状を最優先しましょう。
さらに、強い息切れ・胸痛・顔色不良・意識もうろうなどがあれば、数値に関係なく受診したり、救急安心センターへご相談(#7119)することなどを検討してください。
6. もっと知りたい方へ
次のサイトも役立ちます。
投稿者名
Noguchi Hiroyuki 臨床工学技士
