【こんな方におすすめ】
このコンテンツは、次のような方々を対象としています:
- 人工呼吸器に初めて触れる医療従事者
- 人工呼吸器を扱う病棟やICUに配属された方
- 「コソ勉」で人工呼吸の知識を身につけたいと考えている方
全体を通して読み進めることもできますが、各記事はシーン別・目的別に構成されています。
「CO₂ナルコーシスの対応は?」「この波形って何を意味しているの?」といった
ピンポイントの疑問にも役立つように設計しています。
【はじめに】人工呼吸器とは?

人工呼吸器(ベンチレーター)は、肺にガスを送り込み、呼吸を補助・代行するための医療機器です。以下のような状況で使用されます:
- 酸素化が著しく低下した場合
- 換気(CO₂の排出)が不十分な場合
- 呼吸運動そのものが低下・消失した場合
こうした状態は、肺そのものに異常がある場合だけでなく、次のようなさまざまな病態で見られます:
- 大手術後の呼吸管理
- 中枢神経障害や神経筋疾患による換気不全
- 外傷や中毒など、一見呼吸とは関係のない原因
- 感染症や敗血症といった全身管理が求められる状況
人工呼吸器は、ICUや救急現場、手術中の麻酔管理といった急性期の医療だけでなく、
長期にわたり換気補助が必要なケースや、在宅療養の一環として使われることもあります。
現代の医療において、なくてはならない存在です。
人工呼吸器=怖い?難しい?
「人工呼吸器は難しそう」「できれば関わりたくない」と感じている方も少なくありません。
しかし、ある程度の呼吸生理の理解と、患者の味方としての人工呼吸器の役割を知れば、必要以上に怖がる必要はありません。
少しだけ専門的な知識があるだけでも、安全かつ適切な管理が可能になります。
このコンテンツの目的
このシリーズでは、単なる“機械の使い方”ではなく、
患者の状態を読み取りながら人工呼吸器を正しく使うための視点を、
基礎から応用まで、順を追ってわかりやすく解説していきます。
一歩ずつで大丈夫です。
「人工呼吸器はこわくない」そう思ってもらえることを目指して、このコンテンツをお届けします。