酸素投与においては、高濃度酸素の長時間投与では、酸素中毒症を起こす危険があります。
また、急性感症候群(acute coronary syndrome : ACS)や脳卒中、妊婦(胎児)などは酸素投与をルーチンで行われてきましたが、これらの症状に対する不必要で過剰な酸素投与は、血管収縮に伴う重要臓器の血流量を低下させ、むしろ有害になる可能性が指摘されています。
酸素を過剰投与すると、例えばSpO2が100%としてもPaO2は100Torrではなく、150Torr以上では、SpO2は全て100%と同じ値を示すため、酸素化の悪化がSpO2に反映されずに発見が遅れるリスクが高まります。
そのほか、低酸素血症や高炭酸ガス血症の症状のある患者に対しては、高濃度酸素の吸入によりCO2ナルコーシスの状態に陥る危険性があります。

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