掲示板

P0.1はPEEP無しで測定しなければ...
 
通知
すべてクリア

P0.1はPEEP無しで測定しなければ真の値は得られない

1 投稿
1 ユーザー
0 Reactions
37 表示
投稿: 41
Moderator
トピックスターター
(@momotaro)
メンバー
結合: 1か月前
  • 最近やたらとP0.1について聞かれるようになった。コロナが流行った時にP0.1を計測して状態を把握した研究発表があったからなのだろうけれど、私がP0.1の事を知ったのは、市原にいた頃なので、単純に考えても30年以上前の事である。その頃呼気抵抗が云々などという話題が世間持ち出されていた記憶がある。呼気弁のレスポンスが今ほど良くなかった時代なので、そんな事柄を世間に持ち出されていたのかもしれない。しかし、PEEPの重要性が唱えられてからは呼気抵抗の話題はあっという間に消え去った。

    P0.1は離脱可否の評価や呼吸筋力の指標になることは確かだが、何せ30年以上前に世に送り出された評価方法であって、そのままで呼吸管理の世界に居座れるほどのレベルであっただろうか?

    私はその頃確かにP0.1を計測したことは何度もあった。またEVITAがメイン機になった当初はトレンド機能にP0.1の自動計測で経過を表示させえちたことがあった。が、その後使用することは極端に減った。その理由は再現性が厳しく、短時間で連続測定を行うと値がフラフラ変わる。誤差範囲であればまだ許せるが・・・・生体は何かの障害が発生すると代償機構が働く。吸気仕事量が変化すると代償性に何かを変えて、その障害を回避しようとしてくる。P0.1にしてもその仲間から外れることはなく、値が一定いないことがよくあった。
    だからといって全くあてにならないわけではなく、一桁めはまぁなんとか使っていける数値であったことは認める。

    P0.1を使わなくなった本当の理由は別にあった。おれは総合的に離脱可否を判定できるtoolが世にお目見えしたからだ。Knowlegg based weaningは離脱可否の評価であるだけでなく、assement toolとしの信頼性を知ったうえで使うと、関与した誰もが納得する結果を連発した。
    客観性はP0.1でも申し分ないが、ある一部分の評価でしか無いことに変わりはない。バイアス無しで記すが、呼吸状態全体を評価できるtoolには敵わないのだ。それ故P0.1だけでなくNIFの使う必要はなくなった。もう一度記す、一部分だけの評価をするよりも、呼吸状態全体の評価が可能なツールのほうを選択したのである。

    ここでP0.1について注意点を一つだけ記しておく。知っていて絶対に損はない。
    P0.1の測定はPEEOP「ゼロ」で行わなければならないこと。これはP0.1を専門に研究してきた人に教えられた。何故なのか? 答えは簡単。
    PEEPを施すと吸気抵抗は減少する。末梢気道の状態を気管チューブ抜去と同じ環境で測定しなければ正しい指標にはならない。
    疑いを持つ人は気管チューブを加えて仰臥位でPEEPを変えながらP0.1を経験してみればわかるよ。PEEPによって全然違う値になるのがわかる。もっと極端に経験したければ仰臥位で胸帯か腹帯を強く巻いて拘束性換気障害を模擬したうえで測定してみればわかる。

    何にしても呼吸状態の評価は単一のファクターで判断できるほどの事柄でないことはわかると思う。言い換えればSBTも数値だけを見て判断しているとそのうち痛い目に会うことにもなりかねない、つうことだ。(患者の状態判断で意見や情報を求められない就業環境ならば別に良いのだが)

共有:

🔙 医療従事者向けページに戻る

🏠 トップページに戻る

上部へスクロール