先日、日本呼吸療法医学会に参加してきました。
その中で、「臨床工学技士の呼吸療法業務のその先へ」というパネルディスカッションを、ディスカッションの部分のみ聴講してきました。
CEが、呼吸療法分野において、人工呼吸器が付いている患者さんに対して、臨床を行わない、関わっていないというのは、私の考えでは業務放棄と同じ意味だと思いますが、多くの方に伺うと、どうしたらいいかわからない、何から手をつけたらいいのか?認知されていない。という意見をよく聞きます。
とある質問で、臨床に関わりたいし、技士長もやるように言われているし、経験もあるが、どのようにアプローチをかけたらいいのかわからない、という質問が出ていました。
そこで、私からの提言ですが…
まず、チームの一員に認められることをしなければならないと思います。そのためには、他職種がどのような考えで、どのように関わっているかを知ることが大事です。
具体的には、医師、看護師のみならず、理学療法士、栄養士など関わる職種がどのようなアプローチを行なっているか、何をしているのか。ベッドサイドで話をしながら、一緒に参加するのもいいでしょう。
例えば、看護師が体位変換を行うタイミングを見計らって、一緒に参加するとか、理学療法士が離床のためのリハを行なっている時に、人工呼吸器の設定やモニタリング、アラームや非同調の有無を確認し、セラピスト側に報告したり、医師に報告したりして、安全に行えるように取り計らうのもいいでしょう。
この設定、こうした方がいいのでは?といきなり医師に提言しても、関係性ができていないままでは聞き入れてくれるはずもありません。
そう言った意味でも、まずは、
1)とりあえず、ベッドサイドに行く。
2)人工呼吸器を使っている全ての部署ではなく、一部の部署から始める。その部門の師長や病棟医長に顔を覚えられ、ベッドサイドに行って一緒にやってもいいという許可をもらう。
(ICUとか、救命センターなど、人工呼吸器を多く使っているところから始めると、一気に情報過多になるので注意)
(勝手に何かやってると、不審者扱いされるので注意)
3)アセスメントや、グラフィックの確認は、CEのみで行うのではなく、受け持ちの看護師や、リハスタッフ、病棟担当医と一緒に行う
4)体位変換、特に座位、端座位、腹臥位や車椅子移乗、立位、歩行時には、そのタイミングを失うことなく一緒に参加する
5)行なったことを、カルテに記載する
6)回路交換、人工鼻から加温加湿器回路への変更などは、当然CEが関わる
7)環境整備は毎日実施する。使用中の人工呼吸器本体、フィルターの清掃・清拭を行う(これ、実は現場でかなり喜ばれます)
8)1〜7ができるようになったら、血液ガス採血(Aラインから)や、人工呼吸器やNPPV装置、HFTの設定変更などを医師に指示をもらうようにする
合わせて、胸部XーPや胸部CTを1日最低3枚読むようにする(目標1年で1,000枚)、カンファレンスへの参加。
こんな風に関わってみてはいかがでしょうか。
これ、毎日やると結構ハードな仕事になりますよ。特にICUやCCU、救命救急センターなどでこれをみっちりやろうとすると、全身管理のサポート、アセスメント、その上でのスケジュール管理と、メチャクチャハードになります。
ご参考になれば。
何を見て、何を把握して、どう伝えるか 医師が行っていることを理解しておくことは当然 看護師が行っていることを把握することも当然
医師や看護師と同じ目線は必要だけれど、同じではいけない 我々独自のプラスアルファで物事を把握、伝えていかなければならない
例えば患者が人工呼吸器から離脱、抜管したとする そのことを別な医師に伝える場合「抜管しました」だけじゃダメなのよ
また常に患者状態の観察は必要 場合によっては深夜帯でも休日でも・・・(今の働き方には合わないか)
(昔いたなぁ 22時過ぎでも職場にいて電話かけてきた変なヤローが しかしそんな時、自分でも職場にいたりして・・・・)
医師に認めてもらうためには、呼吸管理知識や技術は(医行為を除いて)
医師と同じレベルでは振り向かれない(わざわざ他者の求めなくても本人がわかるからね)
もし5台の呼吸器が動いていたとして、貴殿ならどういう動きをする?