ベーシックの内容になるけれど、画像を見て基本を押さえておいてください。(画像はかなり昔に作ったものだけれど、今も内容に変わりはないよ)
気道抵抗について
一般的に気道抵抗には動的気道抵抗と静的気道抵抗の2種類がある。
- 動的気道抵抗(Dynamic Airway Resistance)
定義:
呼吸中(特に吸気や呼気中)の気道抵抗を指します。空気の流れ(流速)と肺内圧の関係から求められる。
・測定時の状態:
呼吸運動中(通常は呼気中)
フローがある状態で測定
・含まれる要素:
気道そのものの抵抗
組織の弾性抵抗や粘性抵抗(肺実質・胸郭)
気流速度による影響(タービュランスなど)
・一部の人工呼吸器でリアルタイムに測定可能
・特徴:
肺容積、気流速度、気道の動的変化などの影響を強く受ける。
- 静的気道抵抗(Static Airway Resistance)
定義:
呼吸運動を伴わず、気流がない(もしくは極めて遅い)状態での気道抵抗。
測定時の状態:
呼吸停止中(気流がない)
純粋な気道の機械的抵抗であり通常は吸気終末または呼気終末に行う。
組織の弾性抵抗は影響しない(流れがないため)
動的成分を除いた純粋な気道抵抗の評価であり実臨床での使用は少ない
(技術的に測定困難なため)
上記の事柄から人工呼吸中の気道抵抗は動的気道抵抗であることを覚えておいてください。
これはVCV人工呼吸換気中の気道内圧波形のどの部分を見れば気道抵抗要素が変化しているのかを把握するために重要です、
すごぉ〜く簡易に考えるとオームの法則と同じように、圧÷電流と同じように考えてもらえば良くて、気道内圧の単位はcmH2O で圧そのもの、そして前に記したように流速を決めて、その時間に吸気フローを流す、ということでL/分・・・流れ、ということで流量なので、圧/流で抵抗となるのです。(呼吸の場合、単位はcmH2O/L/分 となるのです。
さてここで気道抵抗成分は何で変化するか、を記しておきます。
一般的に気道が長い、気体の流速が速い、気道の半径が小さいほど抵抗は大きくなります。
抵抗=ρ×S/lの式を覚えているかな?
長さは気管チューブや気道の長さなので呼吸管理中に大きな変化が起こる事柄ではありません。断面積も大きく変化することはないでしょう。抵抗率は分泌物や気管・気管支表面の状態で変化することはあります。喘息重積発作や浮腫などで変化することでしょう。
人工呼吸中に気道内圧が変化した、ということは流速が変化した、気道の粘膜や基質的な状態が変化した、肺胞の膨らみやすさが変化した、軌道の途中に「とおせんぼ」や邪魔者ができた、などの要因が考えられます。
どんなときにはどんな波形になるという考え方(覚え方)は一度捨てておいて、この系統の考え方から理解度高めるようにこのスレッドを進めてみたいと思います。