第2章-2-1:人工呼吸器の心臓部“本体”をのぞいてみよう!

【1. 本体(制御装置)】

人工呼吸器の中枢を担っているのが「本体」です。この本体には、ガスの流れを制御する「ニューマチック部」と、動作全体を管理する「制御部」の2つの機能が含まれています。

ニューマチック部では、配管から供給されるガスの圧力をそのままでは高すぎるため、レギュレーター(圧力調整弁)によって安全なレベルに調整します。さらに、電磁弁などの機構を使って、一回換気量や換気圧のコントロールを行っています。

一方、制御部では、人工呼吸器全体の動作を管理するCPU(中央処理装置)や、設定どおりに作動しているかをチェックする各種のセンサや制御回路が組み込まれています。

操作を行うための部分は「インターフェイス」と呼ばれ、近年ではタッチパネル型が主流です。ここで、換気モード、吸気時間、一回換気量、換気圧、PEEPなどのパラメータを設定します。

また、近年では在宅用の人工呼吸器でも、グラフィックモニター(波形表示)が搭載されるようになり、視覚的に呼吸の状況を確認できるようになっています。このグラフィックモニターと連動する形で、アラーム機能も充実しており、異常が発生すると視覚と音で即座に通知してくれます。

ただし、いくら本体が高度でも、それだけでは患者さんを助けることはできません。人工呼吸器は“箱”ではなく、“道具”です。
この装置を操作するのは、他でもない「あなた」なのです。


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