脳卒中ー酸素投与の注意すべき疾患、副作用・合併症ーその4

脳卒中(stroke)とは、脳の血管が詰まったり破れたりして、脳の機能が低下する病気です。脳血管障害とも呼ばれます。

低酸素血症を呈する脳卒中急性期の患者には酸素投与が適応となります。

一方で、低酸素血症が明らかでない軽症から中等症の脳卒中患者に対しては、ルーチンに酸素を投与することが有用であるという科学的根拠はない1)とされています。

したがって、動脈血中酸素飽和度(SaO2)90%以下であれば酸素投与を行いますが、現時点では低酸素血症を認めない脳卒中患者では、ルーチンの酸素投与は不要です2)

ただし、酸素投与の開始時期、酸素投与量、投与期間、脳卒中のタイプや重症度、脳浮腫や脳圧亢進の程度、呼吸器疾患の有無などにより、反応が異なる可能性もあります2)

参考文献

  1. 日本神経治療学会, https://www.jsnt.gr.jp/guideline/img/nou2009_01.pdf, 2025.2閲覧
  2. 脳卒中患者の酸素療法―低酸素血症を避けて、O2 deliveryを考慮した全身管理を行う, 中島幹男, INTENSIVIST 2018;407-414

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