換気の実行部隊
肺は自分で動くとはできません。肺を動かしているのは、肺の直下にあるドーム状の巨大な駆動装置(ポンプ)=横隔膜と、肋骨の間にある肋間筋が、司令塔(脳幹)の指令を忠実に実行して、空気を出し入れします。いわば現場の実行部隊です。
《動き:吸気》
息を吸う時、司令塔からの命令を受けて巨大ポンプ(オペレーター)が下に大きく下降! → 風船のような肺の外側が広がり、空気が自然と流れ込みます。
横隔膜が下がる+肋骨が少し持ち上がる
→胸の中の圧力が少しだけ下がる(陰圧)→空気が自然に入る
横隔膜が1〜2cmほど下降し、外肋間筋が胸郭をわずかに持ち上げます。すると、胸腔内の圧力が少しだけ下がり、注射器のピストンを引くように、空気が肺へ流れ込みます。
《動き:呼気》
息を吐く時、広がり終わった駆動装置は自動的にリラックスして元の位置に戻ります。その時、肺が押し上げられ、一気に排気ガス(二酸化炭素)が排出されていく仕組みです。」
横隔膜の力が抜けると(弛緩といいます)元の位置に戻り、胸郭は吸う前の位置までしぼむため(弾性収縮力といいます)、空気は自然に出ていきます(受動的な呼気)。運動時や咳をするときなどは、腹筋なども加わり、しっかり吐き出します。
便宜上、呼気ガスのことを排気ガス(二酸化炭素)と呼びますが、正しくは、二酸化炭素(CO2)を含む呼気ガスのことです。
社長(大脳皮質)唯一の特権!意識的な強制介入
(重要情報!)呼吸は司令塔による自動運転が基本ですが、話す・歌う・運動時・検査時など、必要な時だけ社長=大脳皮質が意識的に「今、呼吸して」「深呼吸して」「息を止めて」「ゆっくり吐いて」という、社長命令を出せます。
この「意識的な強制介入」が、自律神経をコントロールする鍵となります!
オペレーション1:呼吸の最高司令塔「呼吸中枢(脳幹)に潜入に戻る
次はオペレーション3「ブドウ畑」でのガス交換ミッションの実態

