呼吸不全とは、「原因の如何を問わず、動脈血ガス、とくにO2とCO2が異常な値を示し、そのために生体が正常な機能を営み得なくなった状態」を呼吸不全と定義されています1)

また、厚生省特定疾患「呼吸不全」調査研究班の診断基準2)では、室内気吸入時の動脈血O2分圧が60 Torr以下となる呼吸器系の機能障害またはそれに相当する異常状態を呼吸不全と診断する(表)、としています。

呼吸不全を2型に分けたうち、動脈血二酸化炭素分圧の増加を伴わない場合(45 Torr以下)Ⅰ型呼吸不全45 Torrを超える場合をⅡ型呼吸不全と言います。

Ⅰ.室内気吸入時動脈血O2分圧60 Torr以下となる呼吸器系の機能障害またはそれに相当する異常状態を呼吸不全と診断する。
Ⅱ.呼吸不全の型を2型に分け、動脈血CO2分圧45 Torrを超えて異常な高値を呈するものと然らざるものとに分類する。
Ⅲ.慢性呼吸不全とは呼吸不全の状態が少なくとも1ヶ月間地蔵するものをいう。なお動脈血O2分圧が60Torr以上あり、呼吸不全とは診断されるにはいたらないが、ボーダーライン(60Torr以上、70Torr以下)にあり、呼吸不全に陥る可能性の大なる症例を準呼吸不全として扱う。

表 呼吸不全の診断基準(文献2より引用)

1)笹本 浩,横山哲朗:肺不全と呼吸不全. 呼吸と循環 17: 4,1969.
2)横山哲朗:厚生省特定疾患「呼吸不全」調査研究班. 昭和56年度研究業績,p1、1982.